【平成23年1月号】

2011年 新年あけましておめでとうございます。昨年も多く方々に支えられながら過ごすことができました。今年もミニミニ通信を通して、皆様とのコミュニケーションを大切にし、病気の話などを紹介して少しでもお役に立てればと思います。乱筆乱文ではありますが、今年もおつきあいください。
話題提供 高良広之
私の母の里が鳥取県の因幡の白兎の神話の舞台となった場所ですので、子供の頃から何回も話を聞いて来ました。今年はうさぎ年ですし、この神話は日本初の獣医療とも言われていますので紹介します。
昔々、隠岐の島(白兎[はくと]海岸の沖にある島)に住む1匹の白兎が、ある姫神に会いたいと思い因幡の国へ行きたいと考えていました。しかし、隠岐の島と因幡の間は海でとても自力では渡れません。そこで白兎はワニザメをだまして向こう岸に渡ろうと考え、『ワニザメさん、君たちの仲間と僕たちの仲間とどちらが多いか比べてみようよ』と提案し、ワニザメを因幡の国まで並べさせ、その上をピョンピョンと渡っていきました。そしてもう少しで向こう岸に着こうというとき、あまりの嬉しさについ、『君たちはだまされたのさ』と言ってしまいました。
それに怒ったワニザメは、白兎の体中の毛をむしり取り、あっという間に丸裸にしてしまいました。白兎がその痛みで砂浜で泣いていると、そこに大国主命(おおくにぬしのみこと)の兄神様が通りかかり(大国主命の兄神達は、隣の因幡の国に八上姫という美しい姫がいるという噂を聞きつけ、自分のお嫁さんにしようと、因幡の国に向かっている途中でした)、面白半分に『海水で体を洗い、風に当たってよく乾かし、高い山の頂上で寝ていれば治る』と言いました。白兎が言われたとおりにしてみると、海水が乾くにつれて体の皮が風に吹き裂かれてしまい、ますますひどくなってしまいました。
あまりの痛さに白兎が泣いていると、兄神達の全ての荷物を担がされて大きな袋を背負った大国主命が、兄神達からずいぶんと遅れて通りかかり、白兎に理由を尋ねました。そして、『河口に行って真水で体を洗い、蒲の穂をつけなさい』と言いました。白兎がその通りにすると、やがて毛が元通りになりました。という話です。蒲の穂の群生やワニザメの洞穴もあります。大国主命の優しい心と正しい知識は我々獣医療に携わるものにとって基本ですね。ちなみにその地域は「ハマナスの南限地」でもあります。そんなところから私は来て、30年過ぎました。

グラコム1月号掲載記事
ウサギを飼っている方が増えてきてます。可愛くて、飼うスペースが少なくて済み、キレイ好きで、吠えないからでしょうか?今年はウサギ年ですが、もっと飼われる方が増えるかもしれませんね。私は学生時代と薬品会社時代に多くのウサギの世話をほぼ毎日して来ました。SPF(特定の病原菌を持っていないと保証された)うさぎの帝王切開なども行って来ました。
そんな中ウサギというのは意外に感情表現が豊かなのがわかりました。喜んだ表情、甘えん坊、そして時には怒ったりと、、、スタッフにもウサギを飼っている方がいましたが、何と言ってもその表情があいぐるしいと言っていましたね。
ペットとして根強い人気があるウサギですが、非常にデリケートな動物でもあります。飼主さんが留守をしたり、ゲージの位置が変わったり、ちょっとした環境の変化に敏感でご飯を食べなくなったり、ストレスからお腹を壊したりします。それが長く続くと肝臓への負担がきたりします。体調の変化に敏感になり、少しでも変化があれば早めに対応してください。
ウサギは精神的なナイーブさだけでなく、皮膚もとってもデリケートにできてます。犬や猫にくらべ皮膚の厚さが違います。とても薄く、そして伸びます。ケガの処置とかにバリカンをかけるときがありますが、バリカンの歯が入らないように毛を切るのはとても気をつかいます。ひどい炎症がありますと皮膚がよく動きますので、治りづらいですし、自分で齧ってしまう場合もあります。
骨もデリケートにできてます。骨も厚さが薄いのです。特に後足が骨折してしまうと力強い蹴りもありプレートやピンを入れてもその隣で折れたりします。また手術した皮膚を自分で齧ってしまうこともしばしばです。消化管もとっても薄くできてます。毛球症で胃や盲腸を切ったり、異物や腫瘍で小腸を切ったりしますが、縫ったりするのがたいへんです。
このようにウサギはデリケートな動物です。環境の変化に気をつけたり、事故が起こらないようにしてください。表情は意外と豊かと書きましたが、その変化がわかるのはちょっと難しいかもしれません。日頃の観察が大切です。ウサギ特有の仕草もありますので本やネットで調べておくことをお勧めします。次はウサギに多い病気の話を書いてみますか。
ウサギは多産や豊穣のシンボルとされていますが、今年はどんな年になるのでしょうか?
院長不在日 1/22(土)
