【平成22年4月号】

4月に入り、学校や職場でも新しいメンバーを迎えスタートを切ったところでしょう。期待と戸惑いが交差しているとは思いますが、新しい出会いを大切にしていきたいものですね。
アースでも人の出入りがありました。皆さんに大変お世話になった巡獣医師が退職し、新しく石川獣医師と遠藤智香動物看護師が3月に入って来ました。
不慣れなところが多々あろうかと思いますが、皆様にいろいろ教えていただきながら成長していくかと思いますのでよろしくお願いします。
4月から6月までは狂犬病予防注射の対策期間です。各市町村が中心となって集合注射や病院での個別注射が行われます。すでに広報には案内が出ているところもあろうかと思います。
日本では狂犬病は50年以上発生がありませんが、全世界では毎年5万名以上の方が狂犬病で亡くなっています。その95%以上がアジアで発生してます。2006年にはフィリピンで犬に咬まれた日本人が2名亡くなりました。
オホーツク管内は網走、紋別と港湾をひかえ、ロシア船を中心とする外国船が入港しています。年に何頭か船に乗って来た犬が上陸してしまうようです(もちろん対策が講じられていますが)。他の地域と違って少し危険性が高いのではないかと心配してます。
狂犬病予防法により毎年の予防注射が義務づけられています。また犬の戸籍とも言える登録も必要です。犬を飼うルールの一つとして考えていただきたいと思います。他の混合ワクチンも大切です。狂犬病予防注射とは間隔をあけてうっていただきたいのでスタッフに相談してみてください。

獣医師: 石川 珠希
はじめまして。この春から新しく入りました獣医師の石川と申します。しばらく獣医さんをお休みしていたのですが、また動物病院でのお仕事が恋しくなり、アースさんに拾って頂きました。
長いブランクや新しい環境で、不慣れな事も多いですがスタッフの皆様にアドバイスを頂きながら日々頑張っていこうと思っております。どうぞ宜しくお願いいたします。
動物看護師: 岡久 ちえみ
こんにちは。動物看護師の岡久と申します。アース動物病院で勤務して4年目の春を迎えます。
こちらで勤務する以前は事務の仕事をしていましたが、動物病院で働きたいという思いが捨てきれず、アース動物病院で勤めさせていただく事になりました。
働いて初めて知る辛い事がたくさんありましたが、やはり動物の無邪気な顔にいつも癒されています。
初めて飼った動物がチワワで、今でも大好きな犬種の一つです。現在も実家では2匹のチワワを飼っています。今年4月末より産休をいただきお休みしますが、みなさまの笑顔と動物達に会えるのを楽しみに復帰する予定でいますので、その際はよろしくお願いします。
グラコム4月号掲載記事
今回は慢性腎不全について書きます。
犬や猫の腎臓もヒトと同じ機能を持っています。身体の老廃物を尿として排泄、必要な水分を再吸収することにより身体の水分量を調節、ミネラルバランスの調整、造血ホルモンを分泌、血圧の調整の一部に関与、また食べ物から得られたビタミンDを活性化し腸からのカルシウム吸収や骨の代謝にも重要な役割を果たしています。
慢性腎不全は腎臓の病気が長い時間かけて進行し、腎機能が低下した状態です。猫が多いと言われていますが、犬も少なからず発生がみられます。
よくみられる症状は、元気がなくなる、食欲低下、体重減少、嘔吐そして「よく水を飲み、たくさんオシッコをする」です。必要以上に尿が出るため、たくさん水を飲んでいるのに水が足りない「脱水」になっていることが多いのです。
毛並みにつやがなくなったり、背中の皮をつまんで戻りが悪くなっていたら脱水状態になっている可能性があります。一旦慢性化した腎臓は治癒する事は難しいです。時間と共に進行し、腎機能が落ち「尿毒症」という状態になって最終的には死を迎えます。
早めに見つけて進行を遅くしてあげる治療が主体となります。血液検査で異常を見つけた時にはもうすでに腎機能が75%以上障害されていることが多く、尿検査は血液検査よりも早く腎臓の異常をみつけることができると言われています。症状が気になった場合とか中年以降になって健康診断を受ける場合は、尿を病院に持って来てください。
腎臓病の原因が感染や腫瘍、結石など明らかな場合は、それらに対応した治療をおこないます。原因が分からない場合もできるだけ早く治療することは進行を遅くするのに役立ちます。食事を腎臓病用に変えたり、尿毒症の原因となる老廃物を腸管で吸着させたり、血圧の調整をしたり、尿にタンパクが漏れでていくのを抑える薬を使ったり、免疫を抑える薬を使ったりします。
最も重要なのは水分の維持です。放っておくと脱水が進行してますます腎臓にさらに負担がきます。定期的に強制的な水分補給が必要です。静脈点滴が理想的ですが、時間がかかり動物たちにストレスをかけますので、場合によっては短時間で行える皮下補液でも対応できることがあります。

できるだけ腎不全にならないためには、水は絶やさないこと、塩分に配慮した食事、あまり生活環境を変えないこと、トイレは いつもキレイにしておくことなどが大切です。