アース通信 Vol.3

  • 2018年8月 2日(木)
8月
8月

実は、夏場の犬が痒がる理由の1つとして本当に多く見られるものが、細菌感染による皮膚炎だったりします。

夏になって気温がぐんぐん上がったり、湿度が高くなると肌は細菌が育つための格好のえさ場になり繁殖しやすい環境になります。

そうした時に肌が荒れていたり傷があったりすると、そこから雑菌が入り込んで繁殖しますし、犬は普段からいろいろな菌を持っているため、細菌が増えやすい季節には特に注意が必要です。

代表的な皮膚病として、膿皮症というものがあります。
これは、ブドウ球菌が原因となり、症状としては脇やお腹、背中、足の付け根などでよく見られ、赤いポツポツとしたニキビのようなものができたりフケができたりします。

細菌感染による皮膚炎
正しいスキンケアの仕方
シャンプー
通常のペット用シャンプー剤は被毛の汚れを落として保護するヘアケアの成分が中心です。スキンケア用のシャンプーを使用することで、被毛と皮膚の両方を丈夫で健康に保ち、トラブルを抱えた皮膚も徐々に改善していくことができます。
特に、30℃くらいのぬるめのお湯で、5分間かけてじっくり地肌までしっかり濡らします。ゆっくりと肌を濡らすことで角質が柔らかくなり、シャンプー剤のスキンケア成分が浸透しやすくなります。
ブラッシング
ムダ毛を取り除き、もつれた毛をほどくことで体表の通気性が良くなり、皮膚蒸れを抑えます。被毛についた汚れもある程度落ちるので、シャンプーの回数を減らすことができます。
 

※猫ちゃんは自分で毛繕いを頻繁に行うため、皮膚は比較的清潔です。必ずしもシャンプーは必要ではありません。

膿皮症の犬のシャンプーの仕方

膿皮症の犬の場合、刺激を与えると、かえって症状が悪化してしまうため、抗菌シャンプーを使用し、毛並みに沿って泡でやさしく、毛穴に負担をかけない洗い方を行いましょう。

この病気の痒みは、ほとんど起こらない場合もあれば、強い痒みが発生するなど犬の個体差があります。症状がない時でも、痒みがあるかどうかを観察しつつ、改善されない場合は、病院に来院ください。

特に再発する場合は、アレルギーなどの原因を見つける必要がありますので、注意が必要です。

今月の予定

気をつけてほしい犬・猫の誤食と中毒について

8月を迎え、夏休みや、お盆で帰省される方も多いかと思います。実はこの時期、犬や猫の誤食が多い季節でもあります。人が集まるとペットたちにいつもはあげないお菓子や果物をあげたりしませんか?ペットたちもシッポを振って喜んで口にしてしまいます。その中にペットが中毒に陥ってしまうものがあるかもしれません。またお盆で仏壇に花を飾ったりしますよね。猫は平気で仏壇に上がれますから、過って花を食べてしまう場合があります。種類によっては中毒症状、命を落とす場合もあります。ということで知っていれば、防ぐことができるお話を今回はします。

7月北見市で誤食・中毒のセミナーがありました。その中でいくつか紹介しましょう。まずはチョコレート。カカオ濃度が高いほど中毒になりやすいです。症状は嘔吐、興奮、痙攣などです。4kgぐらいの犬や猫でしたら、ミルクチョコレートで1枚、ブラックチョコレートで4分の1枚、ココアパウダーだと大さじ2分の1で中毒症状をおこします。次にぶどう。お土産でいただきませんか。ぶどうの皮に含まれている成分が中毒症状を引き起こします。嘔吐や下痢に始まり、致死的な腎不全に陥ることもあります。4kgぐらいの犬や猫で、巨峰なら5分の1房、デラウェア2分の1房、レーズンはたった12粒で中毒症状をおこします。ドライブの時にキシリトールガムを車に載せている方も多いかと思います。4kgぐらいの犬や猫で、1粒でも中毒になる場合もあります。症状は低血糖になるため、震え、意識レベル低下、痙攣。ひどい場合は肝不全になり亡くなります。夏場の花の中で、もっとも危険なものはユリです。特に猫にとっては猛毒であり、花びら1枚、葉2枚で中毒となり、腎不全となり死亡することもあります。車での移動の際、首に保冷剤を巻いているワンちゃんをよく見かけます。保冷剤を誤って食べてしまったら、わずかな量でも中毒症状を引き起こします。神経症状、腎不全で亡くなる場合もあります。

これらのものを誤って食べてしまった場合、1〜3時間以内であれば病院で吐かせる処置をしてもらうのがいいでしょう。よく言われている塩水を飲ませて吐かせる方法はお勧めしません。インターネットでも掲載されているようですが、非常に危険です。良かれと思って飲ませると塩分中毒になりかけません。体重1kgにつき大さじ4分の1の量で中毒になりますし、命の危険性さえあります。

危険と分かっているものや得体のしれないものを誤食した場合、是非メモしておいてほしい情報があります。いつ食べたか?何を食べたか?どれくらい食べたか?です。私たち獣医師にとって貴重な情報となります。その情報のもと、適切な処置・治療を行います。軽症であればいいのですが、治療の甲斐なく亡くなる場合もあります。 何れにしても正しい知識と危険なものをペットの周りにおいておかなければ防ぐことのできるものです。どうぞ誤食事故には十分気をつけてお過ごし下さい。

アース動物病院 院長 高良 広之

 
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